偽りの温もり
今まで誰にも
話したことがなかった。
どう伝えればいいか
分からなかった。

「…普通に考えたら
ありえないし
幻滅されても
おかしくないと思う。」

「…」

タカシ、明らかに
困っていた。

「だから、リオね
会わないでおこうって
決めたんだ。
会ったら、きっと
苦しめるからって」

「…」

そして私は
何も話そうとしない、
タカシを置いて
荷物を持ち、家を出た。

「ばいばい」

しばらく歩いたとこに
小さな公園があった。

「…」

私は携帯を取り出し


─消去しますか?─


タカシのアドレスを


─はい─


消した。

これで本当にサヨナラ。

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