偽りの温もり
「リオ、ヒデ
二人に聞きたい事がある」

ソファに座っている、
俺達の間に
リオが床に座った。
俺達二人に背を向けて。

「…何でも答えるよ」

と、リオ。

「…」

俺はテレビの音量を
下げた。

「単刀直入に聞くよ。
二人の昔の関係は?」

「…」

「…俺が話すよ」

リオは今にも
泣きそうだった。

「俺達は昔、
付き合っていた。
だから、
関係も持っていた」

今までのリオを見てると
一方通行なのかと
思っていた。
だけど
好き合っていたんだ。

「でも今、俺は
カナが大好きだし
将来、結婚も考えてる」

強い眼差しだった。
本気で考えてるんだって
分かった。

「…リオは?」
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