ヘタレは大人しくヘタれてろ
「えっ?でも好きなんだよね」
「何故に決め付けだ」
「えー…絶対付き合ってると思ってたのに」
「付き合ってなかっただなんて」
「克海くん……ヘタレ」
「今さらだな」
克海のヘタレ加減が再認識されたところであたしはそろそろ席に着きたいんだけどな。
ああもういいや。まだなんか盛り上がってるけど一抜け。
「ちょっと涼ー?」
克海と加藤さん、どこ行ったのかな。
やっぱ裏庭とか?
てか、告白だよね。
克海、加藤さんのこと臭いって言ってたけど大丈夫かな。
ってなんであたしこんなこと考えてんだ。
アホくさ。
吸血鬼だし大丈夫でしょ。
ヘタレだけど。
チャイムが鳴るギリギリに克海は戻ってきた。
加藤さんの姿はなかったけど。