ヘタレは大人しくヘタれてろ


グイッ

「わっ」


「涼ちゃん……」



何これ。

克海の両手があたしの顔の横にあって、

背中には窓ガラス。


これはあれか、少女漫画的体勢。

あたしが勝手に今命名だけど。



「涼ちゃん」


克海の目に強い光が宿る。


「ちょっと…どういうつもり…」


「いい加減血くれないと……襲っちゃうよ?」


そう耳元で甘く囁いた。







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