ヘタレは大人しくヘタれてろ
ほれ。とあたしは首を克海に向ける。
「………。」
「どうした?」
「……ごめんなさい」
「はっ…分かればいいのよ」
克海はあたしから離れていつもの克海に戻った。
やっぱりヘタレ吸血鬼が襲うだなんて無理な話。
「うー…」
「何唸ってんの」
いじけた顔して座ってる克海。
「だって涼ちゃん…俺がもしホントに襲ってたらどうすんの」
「別に、克海が襲えるわけないと思ってたし」
「それでも万が一ってこともあるでしょ?」