ヘタレは大人しくヘタれてろ
あたしの隣をとぼとぼ歩くそいつは吸血鬼。
もちろん正体は秘密らしいけどこいつはあたしにバラしてきた。
いやそりゃね、最初はあたしだって信じてなかったんだけど、見せてくれちゃったの。
木のてっぺんにジャンプして登るとこ。
まあ、そんなこと出来てもこいつはヘタレなんだけどね。
こいつ…本当に何でだよっていうかあたしさっきからそいつとかこいつとかばっかだ。
そんな吸血鬼くんの名前は克海くんですどうも。
カツミじゃなくてカツウミ「涼ちゃん」……
「何だい克海」
人が紹介してやってるってのに。
「血飲ませて?」
「ムリ」
また血かよ!!