ヘタレは大人しくヘタれてろ
「とりあえず戻れ」
モソモソとベッドに上る克海は何だか小動物みたい。
「涼ちゃん血」
「ヤダ」
「即答しなくても……じゃあ匂いでいいから」
「何様だお前」
「あ、匂いください」
なんか匂いくださいとか変じゃね?
「えー…」
「お願いします…さっきのじゃ足りない」
「はいはい」
あたしは手を伸ばす。
そんでグイッと引っ張られる……けど、
「脱臼したらどうすんの」
「普通そこは倒れ込むでしょ」
がっかりした様に言う克海。
「匂い要らないの」
「要ります…だからこっち来て」
「…まあ良いけど」