ヘタレは大人しくヘタれてろ


「とりあえず戻れ」


モソモソとベッドに上る克海は何だか小動物みたい。


「涼ちゃん血」

「ヤダ」


「即答しなくても……じゃあ匂いでいいから」


「何様だお前」


「あ、匂いください」


なんか匂いくださいとか変じゃね?


「えー…」


「お願いします…さっきのじゃ足りない」


「はいはい」


あたしは手を伸ばす。

そんでグイッと引っ張られる……けど、


「脱臼したらどうすんの」

「普通そこは倒れ込むでしょ」


がっかりした様に言う克海。


「匂い要らないの」


「要ります…だからこっち来て」


「…まあ良いけど」






< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop