ヘタレは大人しくヘタれてろ


ベッドに座る克海に近付く。


「てか何でいつも首なの?」


「んー…」


「克海?」


「一番美味しそうな匂いがする」


「……あっそ」


抱き締める力を強める。

…ちょっと痛いっす。


「ね、血飲んでいい?」


「だーめ。てか何であたしなの」


他の人でもいいじゃんね。


「そ、それは…涼ちゃんのことが……」

「なに」


「えっと……す、すすすす……」


「す?」


「す……ごくいい匂いだから」


……このヘタレ。





< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop