あたりまえ
*1*
はじまり
松永紗由。
中学生。
今日からもう3年生。
新しい先生
新しいクラス
何もかもが楽しみ。
「紗由!おはよー!!」
「弥生ー、おはよう!」
元気いっぱいで
声をかけてきたのは
宮本弥生。
幼稚園から一緒で
私の唯一の理解者。
もう家族みたいなもんかな。
「うちら今日から3年だよ!?大丈夫かな。」
「大丈夫だって!」
クラスが一緒なことだけを願って
始業式に向かった。
「はい、では今から、クラス名簿を発表します。」
廊下に張り出される紙。
どきどきしながら見ると、隣では
「紗由!!やったよー!同じだよっ」
よく見ると松永紗由の次に
宮本弥生がある。
「よかったあ!これで一緒に修学旅行行けるよ!!」
中学生最後の1年に
期待しながら
新しい教室へと向かった