あたりまえ


振りかえると
雅輝くんと拓哉くんが
立っていた。

「俺は2番!」
にかっと笑いながら
番号の書かれた割り箸を
拓哉くんが見せてくる。

「俺は3番なんだ。よろしくな!」

2人とも笑顔だったけど
私的には嬉しくない。
ほんとに正常な感情をもつ
女子なら誰だって嬉しいと思う。
でも、私は正常じゃない。
イケメンには興味ないし、
勘違いされるのも嫌な方…。
なのに班まで一緒になったら
余計他の子達からの視線が痛い。

「はああ…」
無意識にため息がこぼれた。
それに気付いたのか拓哉くんが
「どうした?大丈夫か?」
と聞いてきた。
まわりに誰も居なかったら、
怒り狂って叫べるのにな…。

「大丈夫!!よろしくね」
無理に笑ってごまかした。

ふと弥生をみると
信じられないみたいな顔で、
通称[まさたく]コンビを見つめてる。


「紗由!当分の間、席替えしないで!」
「えっ??」
「あったりまえじゃん!
まさたくと一緒なんだよ??」
その凄さは最初、
わかんなかった私だけど
今ならわかる。
女子の威圧感で…。

「わかったよ。」
「ありがと!!もう紗由だいすき」
「ほんと調子いいんだからー」

私1人で決められる
ことじゃないけど…
大丈夫だよね…??





不安だれけの初日が
始まった…





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