楽園はどこに?【BL・GL・NL】
4.終末は君と
ハンバーガーショップがあった。
「もうここでよくない?」
彼が言った。
「ま、たまにはいいか」
この辺りには、他の店は無いようだし。
それどころか、人が見当たらない。
きっとここは廃れてしまったか
見捨てられた町なんだろう。
電気が点いている建物は、他に無い。
ここも、営業してるかは解らないけど。
カラン、カラン
ドアを開けると、ベルが鳴った。
「あ、いらっしゃいませ!」
出迎えたのは、少年だ。
「……ここ、営業中?」
彼が尋ねたのも、無理はない。
壁一面に、血液の飛び散った跡。
窓ガラスは割れていて、
隅の方には壊れた家具が積まれている。
「はい、ちゃんとやってますよ!」
「じゃあ、バーガーセットお願いします」
壁のメニューを見て、彼が言った。
「かしこまりました。
お飲み物は何に致しましょうか」
「コーラで」
「俺も同じ物を、ウーロン茶で」
「かしこまりました!」
少々お待ちくださいと言って、
少年は奥のキッチンで物音を立て始めた。