楽園はどこに?【BL・GL・NL】
そうして変わらず過ごしていた。
だけど、彼が、食われた。
それを見た時俺は何も考えられなかった。
ふと気が付くと俺は彼を抱きかかえていて
側には彼を襲った奴が倒れていた。
……死んでいた。
変化した人間は、簡単には死なない。
そして奴を殺したのは、きっと俺だ。
……どうやったんだ?
解らないけれど、知っていたとしても
そんな事はどうでもいい事だった。
彼さえいればいい。
彼が居なきゃ嫌だ。
俺をこうしたように、
彼を不死身にはできないだろうか。
どうしてあの人は、
俺にその方法を教えなかったんだ。
なんで?どうして?
俺はまた、ひとりになるのだろうか。
そのまま暫くじっとしていた。
もしかすると数日経っていたかもしれない
生暖かい風を、頬に感じた。
彼が息を吹き返したのだ。
前とは違う種になっていたけれど
そんな事こそ、どうでもいい。
彼がここに居るというだけで、
それだけで世界が色づくんだから。