楽園はどこに?【BL・GL・NL】
「俺、人襲わないから!安全ですから!」
駆けつけてみると、
馬鹿デカいシャベルを振り回している男と
自分の安全性を謳っている彼が居た。
そして俺が出てきたのは、男の後ろ。
気配に気づいた男は、驚いたのか
俺に向けていきなりシャベルを振り下ろした。
ザシュっと、切り裂く音を立てて、
シャベルは俺の首に突き刺さり、
けれど骨を砕けきれなくて、途中で止まる
痛い。
……俺にだって、痛覚はある。
馴れなのか変化なのか、人よりは鈍いけれど。
「 」
ああ、そうか。
喉がつぶれれば喋れないな。
呆然としている男にジェスチャーで促す。
しかし、気づいてもらえない。
視線をイサクに向けた。
「早く抜いてくれないかな?」
こちらにはすぐに伝わり、
代わりに彼が意思を伝えた。
そうしてようやく、首からシャベルが抜かれる。
「……お前達、人外か」
男が彼にそう尋ねた。
「イエス!因みに俺はゾンビです」
彼は元気に答えた。
俺はどうするかな……
「そうか、それなら悪かったな」
……考えてる間に、俺の答えは要らなくなったようだ。