楽園はどこに?【BL・GL・NL】
話を聞くと、彼女は俺と同じ。
滅多に見ない、同種の人間だ。
見た目は少女だが、
実年齢は俺よりも上みたいだ。
そうなら、神様扱いされるのも分かる。
崇められていた彼女も、
このご時世、便利な食料として重宝されているらしい。
「それで、その女の子の特徴は?」
「……解らない。
俺には見えなかったからな」
ここに来た経緯を説明していると、
どうやら彼女の懇ろな仲の少女が、
あの子なのだと思ったらしい。
だけど姿を知らないと答えると、
彼女は隠す様子もなく舌打ちをした。
「……アイツは女性に親切だから、
まあ、大丈夫だと思う」
だから安心して待っていろと、
窓の外を見やって言った。
「……助けに来るの?」
「来るだろうよ」
捕まっている事を知れば、
きっとここに来るはずだ。
だからとりあえずはその時を
大人しく待っているとしよう。
……出来る事も無いし。
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