楽園はどこに?【BL・GL・NL】
2.少年と、
……道に迷った。
ついでに、ガソリンの残りも怪しい。
適当に走らせているから、
地図なんてあっても無いようなもんだ。
広い範囲の、大雑把なのしかないし。
でも、ホテルとガソリンスタンド
それに飲食店やなんかには寄らないと。
一応車に予備のガソリン、
携帯食料、毛布は積んでいるけれど
快適に安心に過ごせるに越した事はない。
……金?
こんな生活の前に貯えはしっかりしている
俺は元々、建設的な性格なんだ。
「あ、誰かいるよ」
助手席に座る彼の言葉に、辺りを見回す。
「……どれだけ先だ?」
彼は、視力もかなり上がっている。
「あと500m位先かな?」
カーブのかかった道を進むと、
確かに誰かが、道端に佇んでいた。
「ちょっと声かけてみるよ」
そう言って、彼は車外に出た。
これは、俺の場合もしかすると
相手が襲い掛かってくるかもしれないから
向こうが人間かどうか解らない時は、
いつも彼がコンタクトをとっている。
少し待つと、彼が手招いた。
これは、降りてきても大丈夫という事だ。
エンジンを切り、
彼と――恐らく少年のもとへと歩いた。