れもんスカッシュ

私が自分の教室へ入ろうとしたとき…

「両角!!」

後ろから呼び止められた。
…この声って…先生?

「あ…おはようございます。何ですか?」

「数研へ来なさい。」

先生はそう言ってすぐ後ろを向いて数研へ歩き始めた。
私は、何も言わずただ先生の後ろをついて行った。

数研につくと…
「入りなさい。」

と先生が冷たく言った。
怒られるよね…
何を言われるか何となく分かってた。

「失礼します。」

先生に言われるままに、数研に入った。
誰もいない数研。

ガチャン…

鍵を閉める音がした。
後ろを振り向こうとした瞬間。

グイッ!

先生に腕を引っぱられ、抱きしめられた。

ぇえええぇぇえー!!!!!!
何?何が起こってんの?
私、先生に抱きしめられてる?

「ちょっ!先生…」

「何で昨日メール返してくれなかった?」

「そ…それは…」

先生が無視したから…なんて言えない。

「男出来たのか?…朝一緒に登校してたやつか?…だから、俺なんかとメールしたくないんだろ!」

先生の抱きしめる力が強くなった。

「先生苦しいッ!!」

「離してなんかやらない。お前に…由羽に…彼氏が出来ても俺は由羽が好きなんだ。生徒好きになるなんて教師失格かもしれないけど、一目惚れだったんだ。由羽に初めて会った時…タイプだって思った。でも、生徒だし諦めようと思った。だけどメールしてるうちに、どんどん由羽に惹かれていった。」

うそ…先生が私のこと好き?!
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