「好き」って聞かせて!
………はぁ!!?
私は自分でも分かるぐらい露骨に嫌な顔をしていた。
だけど、それは通じなかったらしく……
「俺さ、綾奈ちゃんに一目惚れしちゃってさー」
とか言っていた。
冗談は顔だけにしてよー
あんたになんか好かれたくないっ!!!!!
ヤツの手が頭に乗ろうとした瞬間、
「お待たせしました」
ガチャ、と店員さんが頼んでおいた飲み物などを運んできた。
だけど…
「え………」
私の目に映ったのは、
拓斗だった。
「たっ、たたた拓斗!?」
「……………」
拓斗は無言で運んできた飲み物をテーブルに置き、私の元に来た。
「なんだよ、その手」
拓斗は風間 悠の手を取り、私の頭から離した。
「っな!!
何すんだよ!!!!」
風間 悠は怒っているみたいだ。