馬鹿恋愛
「これ証拠です。昨日大変だったんですよ。」

『はぁ?何が?』

「ひっぱたかれたし。」

確かに心なしか原田の頬に引っ掻き傷が数個あった。

どこぞやのじゃじゃ馬娘にヤられたか。

『携帯渡してどうする。』

「折ってください。」

『はぁ?』

携帯なくなったら色々と困るだろ。

「代わりの携帯ならあるんで、折ってください。」

『力試し大会か何かか?』

私はビデオを探した。

もしかしたら折ったのを口実に金を揺すってくるかもしれない。


「揺するわけないでしょう。さぁ、早く。」

『おぅ。』

私は言われるままバキっと携帯を真っ二つにした。

案外簡単に折れた。

「契約成立。」

『何が?』

特に契約を持ち出した記憶もない。

「これからよろしくね、朔。」
そう言って、私の耳を舐めて吸った。

『うぎゃあ!』

私は吃驚して原田のシャツを掴んでしまった。

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