千変万化の剣
クノイチ
「ネネ様が洗濯物とは珍しいですね?」

姿はなく声がする。

「クノイチか?

姿を見せろ。」


スッ、

「ネネ様が帰還時に来ていた上着ですね?

誰の物ですか?」


「…。」

「周りには誰もいません。

教えてくれませんか?」


「…敵の、だ。

勇者だそうだ。

情けをかけられた。」


「…。

貴方が、情けをかけられて普通にしているとは思えませんが?」


「解らない。

ただ、奴は人間なのに亜人種のために戦っていた。」
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