千変万化の剣
罪人砦が騒がしくなる。

「おい、敵だ!

ジパングが攻めてきた!」


「何だと!?

数は?」


「およそ1000人。」


「…、あははは!

馬鹿か?

ここは5000人の兵士が守っているんだぞ?

その程度で、」

「馬鹿か!

前の騎馬隊による突撃。

こちらは壊滅、ジパングは無傷だったんだぞ!

それに、さらに前の城の襲撃。

たった一人によって撤退したんだぞ!」


「そ、そうだった。

急いで戦闘準備に入れ!

牢の見張りなどいなくても奴等は逃げられん。」




牢には見張りがいなくなった。


「王女様が我々を、何とありがたい。」


「まぁ、これで私は死期が早まったな。」

ネネが言う。

「どういうことだ?」

亜人種の一人が訊く。

「私は元々、死刑を待つ身。

ましてや、ジパングがここを攻めれば、敵国の将軍の私を生かしておく必要はない。」


「…そう、か。

あんたのような人間ばかりならば、戦争もすぐに終わるのだが…」

「人間は愚か者だからな。

私は貴様ら亜人種にはよい人間に見られたかも知れんが、

今の人間の観点から見ると私は人間としては失敗かも知れん。」




「そーでもないぜ?」

ドゴーンッ、

壁が爆破され穴が開き、人が出てくる。


「お前!?」

「勇者、参上。

ってか?」
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