千変万化の剣
「幸大!

あちらの砲台も制圧した。」


「よし、お前ら、砲台を180°変えろ。


砲口を城内に向けるんだ。


壁は、とっくにぶち抜いてる。」





数分後


「準備は整ったぞ。」


ネネが言う。


「そうか。

じゃあ、俺は前線に行ってクノイチに合図を出してくる。」






前線


「幸大!

お前の方は良いのか?」


ベンケイが戦いながら言う。

「ああ。

ついでに、一つ。

策を、な。」

「策?」

「見てな。」

幸大は息を大きく吸い、そして、


「俺の名は、幸大!

ジパング国の勇者だ!


死にたくなけりゃ、とっとと失せな!」



幸大の声が響く。


敵陣


「幸大さんの合図ですね。

私もやりますか。」


クノイチが息を大きく吸い、


「皆の者!!

勇者と正面から戦うのは危険だ!

籠城戦に変える!


罪人砦の大砲でジパングの兵士を駆逐する。

皆、後退せよ!」


クノイチの声とは思えない男性のような声だった。


「私にかかれば、声色、声量、等など。

操るのは容易いです。」





前線

敵が後退する。



「何だ?

敵が籠城?」


「ベンケイ!

それにお前らも、正面から追うな!


城壁に梯子をかけ、城壁から登れ!」



幸大の指示に全員が従う。
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