千変万化の剣
バタンッ、


罪人砦の扉が閉まった瞬間。


「かかったな!」


幸大が城壁から姿を現す。


「砲台、発射台、全て制圧した。

貴様らは包囲されている。


この戦い、貴様らの敗けだ!」



「「ウオォォォ!」」

ジパング国の兵士から歓声があがる。



「大人しく、降伏しジパング国に忠誠を誓う者は助けてやる。


武器を棄て、ただちに投降しろ!」





ジパング国、本陣



「報告!


幸大様がネネ、ならびにジパング国の囚われていた仲間を救出。」


「おお!

よくやった。」


「さらに、罪人砦の制圧。


また、幸大様の策により、敵軍の敗北。」


「なんと、そこまで!?」

「幸大様からの伝言がございます。」


「申せ。」

「はっ!


今回の戦いで敗北したワコクの兵士で無抵抗、投降し尚且つ、ジパングに忠誠を誓った者はジパング国の住民、ならびに兵士として登用してほしい。


とのこと。」



「何!?

人間を受け入れろと申すのか?」


「王女様。」


イヨが口を開く。


「王女様の目的とする国の形。


戦争が終わった後では両者の溝は深く王女様の理想とはかけ離れます。


ですから、早いうちから着実に、王女様の理想の形を少しずつでも造り上げ、人々に示すべきです。」
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