千変万化の剣
「だいたい予想はつくな。」


「…。

御主ら3人をこの国から追放せよ、と言った。」


「待ってくれよ、陛下!


幸大達を追放なんて、」


「解っておる。


しかし、クーメルの意見にも一理ある。


ネネ、クノイチは敵だったからな。


私とて完全に信用はしていないが幸大の推薦もあり、命を託す価値はあるとは思っている。


しかし、敵だったということに関して、兵士の不安、疑心。

兵士の心が乱れる可能性も高い。」



「ですが王女様!

幸大さんがいるということでその不安も殆ど解消されるのでは…」


「クーメルはこう言った。


幸大も所詮、男、とな。


つまりは、幸大がネネやクノイチにたぶらかされ、心変わりし敵となるかも知れん、

そう言うことだ。



クーメルは根本から人間を信じていないのだ。」


「へぇ、なかなか面白いことを言うんだな、あの野郎。」

「すまぬな、幸大。

気を悪くしたろう。」


「いや、

たぶらかされた、か。


まぁ、近いモンがあるな。」


「どういうことだ?」

王女が訊く。


「つまりは、俺も所詮男だからってことだ。」


「貴様は分かりやすく言えんのか。」
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