千変万化の剣
「考えとくさ。


それより、敵軍が見えてきた。」


「よし、各隊、配置につけ。」


全員が城の後ろに回る。


「ネネ、クノイチ。

王女は任せたぞ。」


「ああ。

虎姫、こっちから城壁の外に出るぞ。」

「何?」

「幸大さんの策ですよ。


幸大さん、お気をつけて。」


「ああ。


しゃあっ!」



幸大が敵に突っ込んでいく。


「千変万化!」


双剣に変わる。


「ジパング国の勇者のお通りだ!

死にたくなけりゃ道を空けろ!」


ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、



「くそっ!

敵はたかが一人!

単騎だ!

さっさと潰せ!」


敵は苛立ちを覚えていた。


「おいっ、あれ!

矢が飛んでくるぞ!」


ヒュッ、

ドッ、

ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ、


多くの矢が次々と兵士を貫いた。


「奴らは準備完了、か。




くっ!

数が多いか。


一度城に戻って態勢を建て直さなければ!」



幸大が城に転身した。



「追え!

このまま城を落とすんだ。」
< 56 / 104 >

この作品をシェア

pagetop