千変万化の剣
「さぁな?

ただ、俺は元の世界に戻る気はないし、

ちょっとくらいなら、付き合うぞ?」

王女は目を瞑り、そして再び開く時、その眼は光に満ちていた。


「よし、手の空いてるモノは死体を片付けよ!」

「それから、勇者が現れた。

そう戦闘中の兵士に知らせよ!」

「「はっ!」」

生き残った大臣達は迅速に動き出す。

「貴様は城内の敵を追い払え。

殺しても、追い出しても、好きにしろ。


この城の中に生きたまま敵がいることはないようにせよ。」

「ああ。

でも、その前に、」

幸大は王女へと手を伸ばし、


ふにっ、

「にゃあ!?」

「え?

猫?」

「な!?

妾がそんなこと言うわけがなかろう!

貴様、行きなり何をする!」

「いや、触らせてくれる約束だろ?

それとも、王女ともあろう者が嘘を吐いたとか?」

「妾が嘘を吐くわけがなかろう!

良い!

好きなだけ触らせてやろう!」


「じゃあ、遠慮なく。」


ふにっ、ふにっ、ふにっ、

「…く、…っふ、…ふにゃ、」

ふにっ、ふにっ、

「き、貴様!

いつまで触っとる!


早く敵を追い払わんか!」

王女が怒る。


「じゃあ、追い払ったら、次は尻尾触らせてくれる?」

「な!?

貴様!尻尾とは人間の尻も同然!

それを触らせろなどと!」

「いたぞ!」

敵がさらに乗り込んでくる。


「どうする?

王女様。」


「くっ!

良い!

胸でも尻でも好きなだけ触るが良い!」

「胸も尻も触りたいとは言ってないけどな!」

言い終わると同時に敵を斬る。


「じゃあ、行ってくる。

約束だからな?」
< 7 / 104 >

この作品をシェア

pagetop