千変万化の剣
司祭が読み上げる言葉


まったく知らない人の話を真面目に聞き続けたのはこの男には初めてだったかもしれない


彼らは司祭が読み上げる言葉に返事をした


たった一言


―誓います―





ここに至るには周囲から反発はまったくなかった


それは彼らが日頃から人前で認知されていたのだ


それが男が仕組んだ策なのか、偶然なのか、


それはすでにどうでもよいことになっていた




互いに触れ合う唇



永遠の誓い


彼ならばこう言うだろう

―千変万化の剣でさえも斬れないし、俺は絶対に斬りたいと思わないし、思えない―




彼らが5人そろって大聖堂から出ると、数えきれない人びとの歓声


大聖堂の鐘と、人びとの歓声が美しいハーモニーを作り出す





そして、


共存を願う王女と

借りを返せない戦士と

気まぐれな忍と

御世話好きな少女と




そして、勇者の物語が一時の休息を得たのだった











千変万化の剣



HAPPY END
< 94 / 104 >

この作品をシェア

pagetop