我が家の甘々執事サマ☆
「ボクが中津川家に雇われたのは、やっと執事見習いになれた頃で、初めてのお嬢様が、朔ちゃん」
「2年前になるのか……」
「ボクん家は代々butlerに入る前から執事になるための勉強をしていて。中学から見習いとして入るんだ。ボクも敏腕な先輩の見習いで入った」
「今は俺の補佐だもんな」
こくんとうなずく。下唇を結んで少し苦い顔をした慧斗にぃ。中津川に仕えた当時オレは中1。
「バリバリの新人で、執事の中でも厳しいと恐れられていた中津川家だからね。ヘマばっか、叱られてばっか」
情けないの過去。今でもあまり役にたててはいないけど、ひどかったんだよね。
「何回も解雇されそうになったけど」
空にキラキラと瞬く星。
髪を揺らす風。
「……けど?」