我が家の甘々執事サマ☆
「行ってきまーすよっと」
「急ぎましょう」
「わかってる」
ん、と差し出された手。つなげという意味らしい。
「走るから」
「………わかりました」
「嫌そうだな」
苦笑いをされながら、足の早い秀は風のように舞うように道を駆けていく。
点滅する信号を走って渡り、しばらくしたところだった。
「結愛ちゃん」
「ハァッ…はい?」
「どうやら間に合ってるみたい」
ハハッと笑うのでわたしは顔をあげてキョロキョロ見渡してみる。
「わああっ!」
そこには普通に登校しているみなさんがわたしと秀を注目していた。