我が家の甘々執事サマ☆
「……浅はかだったわ」
ぽつぽつと先輩は話す。
「あなたはすがってなかったわ。むしろあたし達の方ね。――見習わないとならないわ」
もう一度礼をし、「では」と去ろうとされた時、わたしでなく秀を手招きした。
耳に口を近づけ、ナイショ話。
「…………」
なにを言われたのかゆでダコ状態になっている。どうしたんだろう。
「あたし達ももっと素直になるわ。――では、失礼いたします」
「なっ…なっ…」
「秀にぃ、ろれつ回ってないし」
「なにを言われたの?」
「なっ…どうでもいいだろ」
その後で何回か聞いてみたけど、答えてはくれなかった。
レアな赤面を見られたから…よしとするか。
(あたしは、あなたのことを気に入ってたんだけど、すぐにわかったわ。
……彼女、気づいてくれるといいわね)