我が家の甘々執事サマ☆


心臓が、ぎゅうっと締め付けられるのが自分でも理解できた。


お嬢様じゃなくて――女の子。


わたしの叶えられない夢であり、あこがれでもある。

贅沢だって言われることもある。


「うん!」


だけど、みんななら叶えてくれる気がするの。


返事に満足したのかニヤッと笑って出ていく秀。実は様子を見に来てくれたこともわかる。


なんて考えながら、わたしは奥の引き戸から服を取り出した。







「なっ……」

「!?」

「おぉー」


「ふ、馬子にも衣装だな」
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