我が家の甘々執事サマ☆
いつもは結愛が起きると物音でわかり、挨拶と朝ごはんの支度をしてくれるはずなのに…。
爺やと呼んでいるのは小さい頃から家事、遊びにつきあってくれたお世話係のことだ。
実質、今彼女はその爺やと二人暮らしをしているようなもの。実祖父のような感覚。
「爺や?居ますか?」
まだ寝ているのでしょうか…?いや、爺やに限ってそれはないはず。この十数年そんなことなかった。
「まだお休みですか」
もう一度、声を張り上げて呼んでみる。
胸騒ぎがした。
返事は―――ない。
サァァーッと血の気が引く音がした。
ばたんとドアを閉めて階段をかけ降りていく。なにかあったに違いない、という直感。
「爺や、返事をください!」
バタンッ
――無性に、堕ちていく感覚。