我が家の甘々執事サマ☆

「――執事じゃ、ない?」

「はい。申し訳ありません」


どもるわたしをよそに彼は続ける。


「騙していたことは申し訳ないと思ってます」

「だって今まで」

「結愛さま、俺の名字は」


ハルトの名字は――相田、相田暖人。


「相田?」


当たりです、と言って彼は名刺を差し出してきた。


「これが俺の正体です」

butlerの時とはまた違った名刺だ。


相田グループ
次期総取締役

相田暖人


「相田…グループ…って」


世界にも名を馳せる、日本有数の企業グループの名前に、まさかと考えを巡らす。


「次期総取締ということは、父親は相田雅人さん」

「ご明答です」


「父がよく名前出してたから、……なんで気がつかなかったんだろう。というかなんで」

「私のわがままなんです。この1週間は」
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