我が家の甘々執事サマ☆
アンティーク調の柱時計は――8時になる寸前。
ちょっと待って、落ち着いて。
こんなことしている暇ない。
「え………」
絶句するわたしにハルトが苦笑する。
「遅刻かと、思われますが?」
家から学校までは30分程度。20分には教室に着いていなければならないのに!
「ちょ…ヤバいじゃないですか!」
あわてふためきながらカバンを掴むわたしに慧斗はピンクの巾着を手渡す。お弁当?
「爺や様ほどでは、ないと思われますが」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうにうつむく慧斗。
どうしよう、すっごく嬉しい。
「ありがとうございます」