我が家の甘々執事サマ☆
「秀、送れ。ところで琉叶、お前も学校だろう」
「へいへい」
「はーい」
ハルトの指示に秀はかったるそうに琉叶くんは笑ってのんきに返事をした。
わたしもあわててクロワッサンだけを口に放り込み、ローファーに足を突っ込む。
「お前、マジでお嬢様かよ」
後ろから呆れたような台詞を吐く秀に「緊急時だからね」とあっさり返す。
遅刻だなんて洒落にならない。
「行ってきます!」
∬
――ところで。
「本当に行くつもりなの?学校まで?」
「あ、公の場ではタメ口?」
横断歩道の手前、信号は赤だ。
「敬語だと変だから。それより答えになってないでしょ」