我が家の甘々執事サマ☆
「疲れました」
わざと大袈裟にため息をついてみる。
「お疲れ様でした」
差し出されるアールグレイの紅茶。
あたたかい湯気と香りが鼻を刺激する。
やっぱり人が家にいて、こうやってくれるのはとても嬉しい。
慧斗から飲み物を受けとり口に運ぶと自然に顔が緩む。
「さすが、優しいね…ありがとう」
「………ッ」
すると慧斗が急に黙り込んだので顔を覗き込む。
「どうかしました?」
「いいいやっ…」
「?」
結愛の笑顔にお嬢様、以上の感情を抱きはじめていたことは
慧斗だけの秘密。
――1日目。