我が家の甘々執事サマ☆

「お気遣いなく…」


控えめに言う姿はまるで小学生ではなく、もっと大人っぽく見える。


「いえ、どうぞ。お名前をお伺いしても?」


執事の身の上、言葉遣いの敬語は絶対だ。いくら年下といえども、持ち物や作法からして、どうやらいいお家柄らしい。


「すみません、申し遅れました。私は中津川 朔(ナカツガワ サク)です」


容姿、口調からしてかなりのお嬢さんだな。


「結愛さまの知り合いでいらっしゃいますか?」


すると女の子は「いえ」と頬を赤らめる。


「どなたの知り合いで?」
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