湖に咲く 一輪の薔薇
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あたしたちが階段を降りていくと騒がしかった下っ端達と傘下の族達は静かになった。
水樹「いいかぁーっ!今から蝶妃を紹介するっ」
「「「「うおぉぉぉぉぉ!!」」」」
どっからそんな低い声出てんだよ。
静かに出来ないの?
拓巳「お願い。れーちゃん」
『ん』
カツカツとヒールをならす。
倉庫にはあたしのヒールの音だけが響いている。
『んーと。仁菜 恋華ですっ。この度、蝶妃になりました。多分ね、蝶妃になったから他の族から狙われると思うのね?だぁーかぁーらっ!』
パチンッ
あたしが急に手を叩いたのがびっくりしたのか、目を見開いている。(特に傘下と下っ端)
『頑張ってあたしを守ってね?……………あ!後、お金に困ったり、バイク欲しい奴はあたしんとこ着てね!お金貸してあげるよっ。利子を倍にして。(黒笑』
チラッと拓巳達を見ると笑いを堪えているのがわかる。
なのに下っ端と傘下は口を開けてポカーンとしている。
『…でもね』
さっきと全く違う雰囲気のあたしを見て、真剣な話だと分かって、みんな真剣な表情をしている。
『血だけは出さないで。あたしの為に血を出さないでほしいの』
誰かが生唾を飲んだ。
『もしあたしが居なくなっても、探さないで。あたしを見捨てて。約束、してくれる?』
そして誰かが口を開いてこう言った。