湖に咲く 一輪の薔薇
―優弥・拓巳・水樹・レオナ・卓真―



卓真「一時間出て来ねーなー」
優弥「いーだろ。あんなケバい顔見てたら、吐き気がする」


拓巳「…優弥、今さっきみたいな言い方はないよ」


レオナ「れーちゃん泣きそうな顔してたよーっ?」


優弥「してない。顔、口元が上がって笑い堪えてたし。だから、苛ついたんだけど」



水樹「……………」




卓真「あいつは性格悪いから、しょうがないだろ」


水樹「性格悪いのかな……」




卓真「何か言ったか?」


水樹「いーや」


拓巳「そーいえば、優弥、まだ“あの子”の事引きずってんの?」



優弥「……………」


レオナ「“あの子”?あぁ。…………なんとなく、れーちゃんに似てる」



卓真「言われてみれば」

水樹「ははぁん?重ねてるってか」










それ以上、優弥は何も発しなかった。









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