ほととぎす
大蛇と格闘
大蛇はカマクビを、エンツコの淵にの上に出すと、そのまま出て行きました。
「ニャ―・シャ-ッ・シャーッ」
大蛇の姿が見えなくなると、次に白くて丸い物がエンツコの中を覗いています。
「オマエ新入りか?この中で、何をしている!」
白くて丸い物は、村田の家に飼われている猫で、顔と腹が白くて耳の先が黒く、背中は茶色
に黒の縞模様が一面にあるメスの三毛猫でミケといいます。
「オマエ、人間の赤ん坊か?どこから来た。」
「私が来たから、助かったんだよ。」
ミケはそう言いながら、大蛇の痕跡を消すようにエンツコの淵を舐めて、中に入って来ました。
中に入っても大蛇の痕跡をけしながら、ミケは話し続けました。
「私もこのあいだ赤ちゃんを生んだんだよ。でもこの屋敷の婆さんが他所に連れて行ってさ」
助けてくれたミケは、自分の身の上話を始めました。

その話の婆さんのリョウが居間に入ってきた。
「赤ちゃんの声がしよったバッテン、どこなぁ。」
エンツコの中を見ると、赤ちゃんの脇に猫のミケが腹ばいに寝ていて、産着を舐めていた。
「あら、こげんとこに、ミケも寝てくさ。悪させんとよ!」
リョウばあさんは、ミケをエンツコから取り出して手のひらで身体をさすると、ミケに一言言って
赤ん坊に目をやりました。
「ミケ、あんたも子ば生んだけん、赤ちゃんの事が判るとなぁ。」
出されたミケは、ニャ―ニャ―言いながら部屋を出て行きました。
「ニャ―・ニャ―」 (また会いにくるから!)

「吉治が言いよった赤ちゃんは、あんたなぁ」
「あいらしかたい。」
リョウばあさんは赤ん坊をかかえ上げて、腕の中に抱き上げた
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