空音
 人間というものは嫌な予感だけが的中するもので、この日は首が飛んでいくのではないかというくらいに絶叫マシンに乗り倒した。
何とか気を失う事だけは避けられたのだが、僕が絶叫系が苦手な事はあっさりと妃奈にばれてしまっていた。
「淳二って練習中はうるさいのに絶叫系が苦手なんだね(笑)」
妃奈に痛い一言を突きつけられる。
「なんで?あんなの全然怖くないから!!」
とりあえず強がる。
「ジャンジャジャ~ン♪これはなんでしょうか??」
妃奈が手にしていたものは。
そう、それは遊園地によくある、絶叫マシンに乗っているときに取られてしまう写真だ。。。
「淳二この顔は駄目でしょ(笑)顔全体で怖がってるよ(笑)」
妃奈は大爆笑で写真を見ている。
とりあえず妃奈に何かを言い返そうとして俺も写真の妃奈を見てみる。
しかし普通にかわいい。一応叫んではいるみたいだが本当に楽しそうで可愛い。
妃奈には怖いものなんてないのだろうか?
何でもいいからいつか妃奈の怖いものを見つけてやろうと心に決めている自分がいた。


しかしそんな事を考えている俺に妃奈が悪魔の一言を放つ。。。。
「淳二!次はお化け屋敷ね!!!」

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