空音
 たけしが頑張ってくれたおかげで、コンビニによるという後輩たちから逃げきれることが出来た。
たけしは本当にあせっていたみたいで
「本気でもう無理やとおもった(笑)」
といっていた。
さらに妃奈が乗っているのがばれた時の言い訳まで考えていてくれてたようで
「俺と淳二が妊婦さんを途中で助けたってことにしようかと本気で考えたわ!!」
と笑っていた。
妃奈の妊婦か。。。
それはそれで悪くはないなと一人で考えていたが、こんな事も頭の中で考えてしまっていた。
「妃奈は俺と結婚して子どもを産む事はできるのか?」

だめだ。こんなマイナスなことを考えてしまっては。
すぐに現実に戻り、プラス思考に頭を切り替える。
今は妃奈がいてくれている。
そして俺は妃奈のことが世界で1番大好きだ。
今はそれでいいと。

それからしばらくは三人で会話を楽しみ、しばらく車で走っていると試合会場が目に入ってきた。
俺とたけしはそろそろ試合モードに変わり始め会話が少しずつなくなってきた。

そんな俺たちを見て何かを感じたのか、妃奈も会話をすることはなくなり、心なしか少し緊張しているかの様にも見えなくはない。

試合会場に到達し、たけしと俺は車から降りる前に妃奈にこういった。

「絶対に勝つから良く見といてな!んなら俺ら行くからまた試合終ってからね」

妃奈に言葉をかけてから、俺とたけしは、妃奈が試合を観戦する場所を離れた。
< 27 / 44 >

この作品をシェア

pagetop