空音
 さて、この基本的に無神経な俺がこんなにも緊張して試合を迎えるのはいったいどれくらいぶりだろうか。。。とりあえずウォーミングアップは大きな声でがんばらなくては。。「おっしゃ!!盛り上げていこうぜ!!」たけしがニヤつく。「今日はいつもより気合入ってるな(笑)」そらそうだ。妃奈には無様なところは見せることはできない。何より・・いつ妃奈に試合を見せることができなくなるかわからないのだから。

今日の相手は正直強い。この試合に勝てればこのあとも波に乗ることができるであろう。

そのとき・・・「スタメンは。。。。。。。」
今日のスタメンが発表されていく。
俺は出れるのだろうか。。
「ボランチは水谷!!」
まあ一応副キャプテンでもあるし、俺は実力でも負けてない自信があったので。
でも心の中では安心感でいっぱいだ(笑)
「よかったやん」
たけしが一言声をかけてくれた。
「当たり前。てか今日は勝つから!!」
その言葉にたけしが答える。
「まあゴールは俺が守ったるからお前は点とってな~。副キャプテン!!」
たけしありがとう。点取れるようにがんばるよ。
そして妃奈。見ててね。
あなたのために。
あなたに喜んでほしいから。
がんばってゴールをとるからね。
恥ずかしいけど、がんばるからね。


そんなことを考えているうちに、
ついに試合が始まった。
< 28 / 44 >

この作品をシェア

pagetop