恋の法則
智美は相槌を打ちながら



「なぁんだ。てゆーか、なつみ本なんて読むっけ?」




学食で買って来たパンを取り出してる。




おぅおぅ。


どこまで失礼なのさ。



「読んじゃ悪い?
藤沢みたいなこと言わないでよね~」



貸してもらった本を鞄に詰め込んで、

私もお弁当を取り出す。



「"藤沢みたいなこと"ぉ?」



またニヤッって、智美が笑う。


「何さ」



私はバクッと、大好物のハンバーグに食い付く。



智美は私に顔を寄せると



「結局の所どーなのよ?藤沢君のこと好きなの?」




本を読んでる藤沢の方を目で訴えながら。



「ハァー??」



本当にハァー?って言う顔で、

私も藤沢の方に目を向けた。




「な、何でそーなんのよっ」



私は小声になる。



「何でって…皆言ってるよ。今、その話で持ちきり」


「どんな話よ…」



「アンタ、自覚ないの?」



智美が目を細める。


「藤沢君て、女子とはあまり話さない人で有名なんだから」




何じゃそりゃ。



皆、勘違いしすぎだよ。


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