恋の法則
図書室まで来て、私は入り口のとこで座り込んだ。


教室からずっと走って来たせいで、


息が弾む。



ゴンッって、壁に頭をぶつける。




『距離置くってのは建前で、別れる口実だって』





分かってるよ。



そんなの、言い訳にしかすぎないって。



智美の言った通り。





公太郎は

『距離を置こう』


って言ったけど、



本当は私と距離を置くつもりで言ったんじゃない。




別れるつもりで言ったんだ。



分かってるのに……。




「あぁ…何言ってんだ私…」



「本当馬鹿だな」



「うん…」




うん………?




「ぎゃぁぁ!!!」



私は驚いて、大声を上げた。




「っせぇな。何だよ!人を化物みたいに!」


いつの間にか、藤沢が私の隣にいた。



な、なんて奴……。



気配消して追って来たわね……。



藤沢は不審な目を向ける私に




「んだよ?その目は」




と言って、私と一緒になって隣に座り込んだ。
< 17 / 74 >

この作品をシェア

pagetop