恋の法則
教室へ入ると、智美がものすごい勢いで近づいて来た。



怒られるのかと思ったのに



「ごめん!なつみぃ!」



智美は私に抱きついて来た。


私はあたふたする。



「智美、私こそ怒鳴ってごめんっ」



私が謝ると、智美は首を横に振って離れた。


「ううん。私が悪い。本当ごめん」



智美は頭を下げて、ちょっと笑った。



私の耳元に近づいて



「藤沢君て言い人だね」



智美が耳打ちする。



首を傾げると、智美は罰の悪そうな顔。



「なつみが飛び出して行った後、藤沢君が私の所に来て

『アイツの気持ちも分かってやって』


って、…言われちゃった。
藤沢君の方が、全然なつみのこと理解してるみたい」



藤沢がそんなこと…。



私の視線が藤沢へ向くと、ちょうど目が合う。



アイツは



「レ・ズ」



と口をパクツかせて、笑っていた。




『アイツの気持ちも分かってやって』






何だろ…。




胸の奥が熱くなる。
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