恋の法則
変な気持ち
「ぅぅ~分からないよ~!」
午後の夕闇に染まった教室で、私は机に突っ伏した。
数学の教科書がバサッと音を立てて落ちる。
「…分からないって泣く前に、何処がどう分からないか考えろ」
落ちた私の教科書を拾い上げて、藤沢はため息をついた。
「…何で私だけ課題が出されるの?何故?」
ぐすっ。
私は突っ伏したまま、鼻をすする。
「お前が授業中アホ顔浮かべて居眠りしてたから」
ギクッ。
そ…それはそーだけど…。
「で、でも…私だけじゃ」
そうよ。
あの数学の授業中に居眠りこいてるのは、何も私だけじゃない。
それなのに…。
「『今日の晩御飯はラーメン!』…って、寝言を叫んだのは天宮だけだ」
ククッと笑いをこらえた藤沢の声。
くそぅっ!
笑いたきゃ大声上げて笑いなさよ!!
でも私には言えない。
普段から数学のテストで赤点を取る私には、今日の失点を理由に山盛りの課題が出てる。
学年トップの藤沢がいなきゃ、こんなの終らせることなんて出来ない。
ここは我慢よ、なつみ。