恋の法則
我慢して、藤沢に数学の説明を受けてみて意外な事実が判明。


藤沢の教え方は、先生より分かりやすい。


ちんぷんかんぷんな公式が、藤沢の説明を受ければサラッと解けるようになる。


バカの私が言うんだから間違いない。



「すごいっ!こんな問題が私に解けたよ!」

あっという間に課題の残りが半分。


「天宮は問題を解こうとしないだけ。
少し考えればアッサリ解けるもんなんだよ」

藤沢はさっさと次のページをめくってる。


「でも、真面目な話、藤沢の教え方分かりやすいよ!」


私は少々興奮気味。

だって、こんなに勉強がはかどるなんて初めて。


「…おだてても何も出ねぇぞ」


そう言って、藤沢はメガネをいじる。


「おだててなんかないよ!本当にそう思ったんだから」


私は少しムキになって答えた。



しばらく無言だった藤沢は、またメガネをいじると、教科書で私の頭を軽く叩いた。

そのまま席から立ち上がり、窓辺に移動する。


「…うるせー。早くやれ」


軽く頭をかく藤沢の後ろ姿。


それを見て、私は吹き出しそうになる。



照れてるのか。


可愛いやつ。
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