恋の法則
藤沢はふうと盛大なため息。


もはや聞いちゃいない。



「ちょっと聞いてんの?」


「聞いてるけど」

私はうっと言葉に詰まる。


何でこう、余裕しゃくしゃくなのかしら?


コイツ、絶対口喧嘩強いわ!


私は勝手に藤沢を分析。


「だっ、だいたい何処で何してたの?」



ふんっとそっぽを向いて聞く。



どうせ


「お前には関係ない」

とか言って、スかすんだろうけど。


くぁーっ!考えただけでムカつく!



私は嫌味な藤沢の答えを待っていた。


すると、私の前に細長い物体…

ココアの缶が現れる。


「…えっ」


私は驚き、それを凝視し

藤沢とを交互に見た。

でも、黙って渡されるだけ。



そのおかげで、手の平がぽかぽかと温かくなる。



「…それ、外に買いに行ってた」


「私、に?」


藤沢は顔を伏せた。



みるみる私の顔は熱くなった。


藤沢がくれたココアよりも。



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