恋の法則
【恋の法則3】

揺れ

シンとなる教室。

クラスの皆は教壇で講義をする先生の話に
必死になってメモをとる。


私はその様子を他人事のように眺めてる。

当然シャーペンを握る手はちっとも動いていない。


無意識の内に欠伸が漏れた。


昨日の悶々とした気持ちは晴れず

おかげで私は全然寝れなかった。


一番隅の窓際に座る藤沢に視線を向ける。


私と同じようにシャーペンは動いていない。
それどころか頬杖なんかついて、ウトウトしちゃってる。


外から差し込む日差しが当たって、藤沢の髪の毛がキラキラしてる。



「なつみ」


いきなり声をひそめた智美に、背中を突っつかれ

弾かれたように藤沢から目を離す。


「なっ…何?」

私もいつもよりも小さなトーンになって答えた。


「昨日、どうだったの?」


「はっ?」


「とぼけないでよ」って言って、
智美は後ろの席で身を乗り出す。

もちろん先生の目を気にして。


ニヤニヤした笑顔に嫌な予感。


「藤沢君の放課後レッスン」


……。


「で?詳細は?」


「ない」


私はきっぱり答えて、しつこく尋ねてくる智美を無視した。


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