恋の法則
別に、何もないんだから。


私は首を左右に振って
昨日の出来事を消し去ろうとする。



――あの後、課題を無事に終えた私は


「家まで送る」


って藤沢に言われ、

その言葉通り家まで送ってもらってしまった。

道中、私は緊張から喋りまくって喋りまくって

自滅した。


おまけに


「良く喋るな」


って、藤沢に感心までされた。


……はぁ、思い出すだけで死にそうだ…。


っていうか、既に死んだけど。


こんな事智美に話せるわけないじゃないか。

まるで私が藤沢が好きで、

動揺してるのを認める事になる。


…ちょっと待て私。


私が……藤沢を、好き?



「天宮」



ない、ない。

でもモヤモヤする。


あぁやだなぁ。



「天宮なつみ」

アイツはネクラ。

私には関係ないんだから。



「ちょっと、なつみ」

それよりもお腹空いたな。


そっか。私思い詰め過ぎなんだ。


もう考えるのよそう。

それよりも今日のご飯なんだろう。


オムライスが食べたいな。


ケチャップじゃなくてキノコ入りの…


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